「続けたかった」仲間を何度も見た
- 2025年12月30日
- 読了時間: 3分
更新日:2025年12月31日
日本ラグビー界にとって、大きなニュースーーー
NECグリーンロケッツ東葛のチーム譲渡。
こんにちは!
今回のブログ担当ヨシオです。
8月にこのニュースを聞いた時、真っ先に頭に浮かんだのは
「選手たちはどうなるのだろう」ということでした。
結果的には、NECグリーンロケッツ所属の選手が一気に放出されるという最悪の事態は免れた。
これは本当に良かったと思っています。
現役選手が、ある日突然ラグビーを失う。
それがどれほど残酷な現実かを、僕はこれまで何度も目の当たりにしてきました。

僕自身は、NTT東日本に入社して間もなく、チームがNTTコミュニケーションズへ移管され
本格的な強化が始まる過程を経験しました。(現在の浦安D-Rocksの母体)
新人選手の大量採用、海外からのスター選手の加入、コーチやスタッフが目まぐるしく変わり、
チームは確実に強くなり、トップレベルへ駆け上がっていきました。
しかしその裏で、社業とラグビーを高いレベルで両立してきた社員選手の仲間たちが、次々と戦力外になっていきました。
記憶が正しければ、2年目のシーズン後には20人近い選手がチームを去りました。
異様なほど静かになったロッカールーム、荷物をまとめる仲間たちの姿は今でも忘れられません。
「チームを強くする」という言葉の裏側には、必ず誰かの涙があります。
その現実を、この時に初めて強く実感しました。

その後移籍した、日野自動車でも同じような光景を目にしました。
急速なチーム強化によって国内外からプロ選手が移籍してきて、チームはさらに高いレベルを目指す。
その結果、NTT時代と同じように既存の社員選手たちが、ラグビーを続けたくても続けられず、ジャージーを脱いでいく。
この時は、僕は「プロ選手」という立場でしたが、
強化される側にいながら、プレーしたくても辞めざるを得ない仲間がいたこと。
強化のために必要なことだと分かっていても、その複雑な気持ちは今でもはっきり覚えています。
読者の皆さんに少し伝えておきたいのは、
チーム強化や譲渡、再編というニュースの裏側には、こうした現実が必ず存在するということです。
勝つため、リーグを盛り上げるために必要な決断である一方で、
その陰で静かに姿を消していく選手がいること。
これもラグビーの現実です。
今回、JR東日本の喜㔟社長は、譲渡されるチームとJR東日本レールウェイズの両方を支えていく方針を示し、「両チームに切磋琢磨してほしい」と語りました。
譲渡後も、企業スポーツの一つとして運営していくという姿勢は、選手やファンにとって大きな希望だと思います。
ただ、企業スポーツである以上、何が起きるか分からない時代であることも事実です。
だからこそ、現役の選手たちには強く伝えたい。
明日は我が身。これが現実です。
競技に全力を注ぐことと同時に、競技以外の世界に出ていく準備が必要です。
ラグビーしかやらない、ではなく、ラグビーを軸に「自分は何ができるか」を考えることが大切です。
そして、OBOGや周囲の大人たちが、
選手が次のステージに進むとき、孤独にならないよう支える存在でありたい。
ラグビー界全体で、選手のキャリアを「競技中」だけで終わらせない仕組みを作っていく必要があります。
今回のチーム譲渡で、涙を流す選手ができる限り少なく済むことを願っています。
ラグビーが好きで、続けたいと願う人たちが、安心して挑戦できる環境を。
いちラグビー人として、心からそう思います。

それでは皆様、良いお年を!
君島良夫



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