花園で学んだ「品位」
- 君島 良夫
- 2024年12月27日
- 読了時間: 2分
こんばんは!
今週のブログ担当は、よしおです。
いよいよ全国高校ラグビー大会・花園が開幕しました!
3年間という短い期間に、青春のすべてをかけた若い選手たちのプレーが、毎年たくさんの感動を与えてくれます。

僕自身も20年以上前に花園に出場しました。
その時のことは、今でも色褪せることなく心に残っています。
今回はその中でも特に忘れられないエピソードを紹介します。
場所は花園第二グラウンド。
密集でボールの争奪戦が起き、どちらの選手がボールを持っているかわからないままタッチラインの外に出ました。レフリーが判定をためらう中、相手チームのある選手が静かに手を挙げて、
「僕が最後に触りました。」
フィールド上の選手全員が「勝ちたい」「1点でも多くスコアしたい」と思う中で、自ら正直に認めてボールを譲るその潔さ。その瞬間の彼の姿は今でも忘れられません。リスペクトの精神が詰まった、あの美しい一瞬は、僕の心にずっと残っています。
大学、社会人と長くラグビーを続ける中で、同じようなフェアプレーのシーンを見るたびに、あの日の彼の行動を思い出します。
そして、前回のワールドカップでも同じような出来事がありました。
ゴールライン上でのトライかノックオンか微妙なプレー。レフリーが「ボールを前に落としたように見えたけど……」と確認すると、ボールキャリアの選手はすぐに答えました。
「はい、落としました。」
レフリーが「ビデオチェックの必要ある?」と尋ねると、その選手は「必要ないです」と即答。そしてレフリーはこう言いました。
「正直に伝えてくれてありがとう。」
ナショナルチームの命運がかかる大舞台で、正直にミスを認め、堂々と戦うその姿に、レフリーへの、そしてラグビーそのものへの深いリスペクトを感じました。
ラグビーには、こんな瞬間があるからこそ魅了されます。
僕がこのスポーツを愛してやまない理由のひとつです。
今年も花園で、選手たちが見せる潔さやリスペクトの精神を胸に、たくさんの熱いプレーが見られることを楽しみにしています。
君島良夫
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